2011年2月19日土曜日

Arduino量産型(スタンドアロン)を安く作る(後編)

前回は回路図まで書きました。今回はもうちょっと具体的にパターンを組んで行きます。



前編の写真にあったパターンをそのまま図式化しました。


右がパターン配置、左が裏の半田パターンを表しています。基板を逆に置くと左右が反転するので注意してください。
勿論回路図の通り繋がっていれば良いので、これをそのまま写す必要はありません。



ここで自由にパターンを組めるのも量産型の強みです。ほんの一例ですが紹介します。
[投影機]
後期課題でのインタラクティブな音響作品です。

作品なのでArduinoの基板を見せたくなかったのと、機械感を出すためにケーブルだけを使って配線を行いました。



ACアダプターから電源を供給していたのですが、当初妙に誤作動が起きてました。
色々断線とかいじってみたら、電源元のケーブルと、水晶発振子からICに繋いでたケーブルが隣り合っていたのが原因。正確なクロック信号が電源のノイズによって狂っていたようです。

基板上であればよほどの事が無ければ大丈夫そうですが、そういう事態もありうるみたいですね。



[L.E.Disco Headphone]
自分が活動しているテクノロジーポップユニット"TELESCOPE"の小道具です。

ヘッドフォンのスピーカーユニットを繰り抜き、中にArduinoを仕込んで、音楽に合わせてLEDが光るヘッドフォンを作りました。




普通のArduinoでは大きさ的に入らなかったり、USBケーブルやデジタルIOピンの配置が決まってしまうので、こういう形で配線をやり直し、ケーブルを這わせたり基板を二階建てにしたりしてどうにかイヤーパッドの中へ入れることに成功してます。

ちなみに上の写真にも載ってますが、こういう狭いところとか形の変わった所に基板を入れたい時にこの基板がオススメ。
16ホールユニバーサル基板(2.54mm)

まとめて買うと全部くっついて送られるので、必要な形を必要な分だけ切って使えます。便利!!
100枚だと数割5円/枚なのでちょこちょこまとめ買いしてます。ただスルホールなのが玉にキズ、、、片面出ないかな。


さて、大分脱線しましたがこれでArduinoは完成です。が、これではパソコンを経由してプログラムをアップロードすることができません。
そこでこちらのシリアル変換モジュールが登場するわけです。

何やらいっぱい足が付いてますが、使うピンは6つだけです。モジュールの各ピンを、こんな感じでArduinoと繋ぎます。
直接ハンダ付けをしちゃうともうそれにしか使えないので、こんな感じで治具を作るといいです。

丸ピンになってるので、こういった丸ピンソケットも一緒に買うと治具が作り易いかと。

そして後はArduinoIDEで、純正と同じようにアップロードすれば完了!!
スイッチサイエンスのチップはDuemillanoveが書きこまれているので、BoardはArduino Duemillanove/ATMega328 を選びます。
Serial Portは、チップによって番号が違うので/dev/tty.usbserial-XXXXXの物を探して選択してください。

Arduinoと違って表示用のLEDが全く無いので分かりづらいですが、最終的に"Done uploading."が表示されれば書き込みはできているはずです。

ずいぶん長くなりましたが、ざっくりこんな感じでArduinoを量産することができます。

別に使う予定がなくても、Arduino量産機を作るのって電子工作の練習にすごい良い気がしました。普通にArduinoだから自分の持ってる純正が実験中でも使えるし。

結構作品の本番用のデバイスを、ブレッドボードで済ます人多い気がする。接続が確かじゃないから、インストール時とかに接触不良とか起こしやすいですよねあれ。
ブレッドボーディング(って言うのか…?)もいいけど、こういう実装を一回やっとくと応用が聞いて楽しいと思います。是非やってみてはいかがでしょ。

2 件のコメント:

  1. 水晶につながるコンデンサのGNDラインがぐるっと回っていて長いのが誤作動の原因かと思います。水晶とコンデンサののGNDはATMega328に最短距離で接続し、その部分には他からの電流が紛れ込まないように独立させるのが基本です。また、TRSの接続は不要です。DTRの抵抗10Kも不要です。DTRから0.1μへ直結で構いません。

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  2. ご指摘ありがとうございます!
    抵抗いらないんですね。Arduinoの回路図を再度確認したらついてませんでした。ずいぶん前の回路図を見てたみたいです。。。

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